友人と会った。
彼女は不思議な人で、同じ年だけれど”女性”より”女の子”と言いたくなる。
嫌味がまったくない自然な振る舞いや言動が、やさしくて素直で、かわいらしく、その辺全部、こうも自分と真逆な人がいるのだなと会うたび生物の不思議を感じさせてくれる。同じ年に生まれた同性で、育ったのも首都圏となんとなく似通った条件で出荷された果物同士のはずなのだけれど、尊敬してしまう。
思ったことをがまんできず口にしてしまう私は、本人にもそのことを伝えている。これまた不思議なことに、彼女もまた私に感心するところがあるらしく、その理由も教えてくれる。他の人が聞いたら呆れる私の飲んだくれる週末の過ごし方も、彼女に言わせれば「そんなことができるなんてすごい!私もしたい!」らしい。もう笑った。
彼女との付き合いももう10年近くなる。こりゃびっくり。10年も前から自分を知っている人が教えてくれる自分の良さを、持ち続けたいと思った。
誰かに強く憧れてしまったり、権威的な人に自分を否定されてしまったり、うっかり恋に落ちてしまったりするうちに、人は自分らしさを失いがちじゃないだろうか。もっとすてきになりたいとか、もっと好かれたいとか、動機は悪いことじゃないのだけれど。
でも、失っちゃだめだと思った。自分を好きになってくれた人たちが、好きになってくれた自分を失いたくないと思った。失わないためには、ただそこにいればよいわけではなく、努力も必要なんじゃないか。
恋した相手が好きな映画も観るけど、自分の好きな映画も見続けよう。
嫌われることを恐れずに、自分の考え伝えよう。
友人と会って、お互いの好きなことの話をたくさんしよう。
彼女のやさしさを、素直さを、かわいらしさを、誰がなんと言おうと持ち続けてほしい。
これは勝手な私からのお願い。