TRAVEL STORIES

Nov 15th, 2014

drop by drop

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7年前のこの旅行が、初めての海外旅行だった。それはバックパックで25日間外国を移動するもので、すべて自分で決めたくせに、自分でさえ不安で、出発が近くなると夜は眠れなかった。

でも朝が来ると、どんな所でどんな人に会えるのだろうかと好奇心でワクワクする。そんなことを繰り返していて、出発する日の朝は疲れ切っていた。

最初の海外旅行をチャレンジングなものにしたのは、きっと焦っていたからだろう。

何かしなければいけないと。このままでは何かが足りないと。

Riga

リトアニアの修道院でキャンプをしているとき、メンバーと遠出をして、止むを得ずヒッチハイクで帰ったことがある。

リーダーのがんばりでそれは極力安全なものになったけれど、不安な時間を過ごした。

帰りは夜になり、雨も降ってきた。

普段は英語で考えを伝えられなくてもどかしかったのに、その時は目が合うだけで不安を共感できて、何も言わずに「私もわかるわその気持ち!」なんて言うように抱き合ったりした。今思うと、面白くて微笑ましい。

ある男の子は、そんな時に自分の国の言葉を教えてくれて、私が話すと発音がへただと言って笑っていた。自分のことより周囲を気遣う彼をみると、いつもの自分がとても汚く思えて明日から変わりたいと思った。

 

乗った車が走り出すと、不思議に緑がかった暗い空に、黄色い満月が浮かんでいた。

まるで自分の気持ちを代弁してくれているような、暗くて明るい空だった。

月を見ながら、あぁ自分は、自信がなかったんだなぁと思った。

旅行の前に就職活動をしていた私は、面接のために自分を言葉で説明する用意をたくさんしていて、それは自信のない自分を飾って隠しているようで、空虚だった。

英語もそうだった。

事前に自分のことを説明する英語を勉強しておいても、言いたいことはそんなことじゃなかった。

どこかで聞いた言葉ではなく、自分の考えを話したかった。

飾らなくていいのだと思った。

 

7年前のメモはここで終わっていたのだけれど、

今年また1人で旅行をして気づいた。

今回も行く前は最悪だった。

疲れるほど目の前の事に取り組んでいるし、物質的には何も困っていないのに、毎日気づかないうちに落としてものをしているような気分だった。

しかし、旅行から帰る頃はそんなことは感じなくなっていた。

「何か」を求めて旅行にいくわけではないのに、帰るときには満たされていた。

そうか、私は自分が「何を欲しいか」を知らなかったのだ。

それがわからないから、不安になったり、焦ったりしていたのだ。

 

「欲しいもの」を知らないまま旅行に出かけて、満たされて帰ってくる。

それがどうやら、私の旅行だ。

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