根津神社のつつじ祭り

初めて根津神社に行ったのは秋だった。

たっぷりした黄色いいちょうの木と赤い社がとても美しく、そこにいる人たち（と亀と猫）も思い思いに時間を過ごすしている（気がして）いいところだと思った。

「つつじの時期が一番きれいなのよ」といくら母に言われても、にわかに信じ難かった。

「私は紅葉の方が好き」と言い張りたかったけれど、ずっと気になっていた。

だから「根津」というキーワードが耳に入るたびに「根津神社のつつじってきれいなんでしょう？」と尋ねた。

それを覚えていた友人のアイディアで、別の場所に出かけた帰りにつつじ祭りの根津神社へ来た。

境内に3,000株あるつつじの見頃は４月中旬から下旬らしいが、今年のつつじ祭りは4月11日から5月6日に開催されていた。

それはもう想像していた以上に見事で。

小高くなる斜面が、満開のつつじで埋め尽くされていた。

奉納された朱色の鳥居をくぐりながら満開のつつじを見ていると、不思議な気分になるぐらいだった。

あれから、今までなんとなく見過ごしていた道路脇のつつじを見るたびに「あぁきれいだなぁ」と言いたくなる。

つつじ祭り期間中の根津神社では、社殿の奥に屋台がでている。

いかげそを食べ歩いてビールを飲みたいなぁと思ったら、ビールも売っていた。

駅前のおいもやさんの大学芋も、食べ歩いてくればよかったなぁとそれが今悔やまれている。