Women wearing saris

サリーを着た女性

サリーを着た女性は、神秘的に描かれることが多いと思う。

異国の女性というのは、お互いどうにもエキゾチックで魅力的に見えるもので、ある特定の国の女性が特別美しいということはない、と本で読んだことがある。そりゃそうだ、と思った。

私がスリランカで出会った女性たちは、サリーを着ている人も着ていない人もいたけれど、やはり魅力的だった。

神秘的というより、次から次へと話題を移って、冗談を言いあって、怒って、ケラケラ笑いあう姿が今でも脳裏に浮かぶ。

かと思えば「実は…」と真剣な話をしてくれる人がいたり、お互いの環境を話し合って「まぁいろいろあるよね」と言い合える人がいたり、外国人の私をいつも心配してくれる人がいたり、文字通り色々な人がいた。

渡航前は「日本人は閉鎖的だったり、オープンに話すことが苦手だから、スリランカでは苦労するよ」なんて忠告ももらったけれど、本当に色んな人がいて、驚くほど共感しあう瞬間もあった。

ちょっとネクラな私は、今でも彼女たちのことを思い返して、いいなぁ、あんな風でありたいなぁと思う。

去年のTRAVEL STORIESのときも、なぜ7年も前のことを展示しようとするのだろうと我ながら不思議だったけれど、今回も、5年経った今彼女たちのことを描きたいと思った。

偶然人から借りて今読んでいる本に、細部まで覚えたことを忘れたときにそれは概念になる、とある。

私は概念を描くのが好きなのだな。