あじさいは一番好きな花だ。
理由は、見た目の美しさや花を咲かせる時期だろうか。
梅雨になると、青や紫、白や赤の小さな萼をたくさん携えて、雨の中咲いている。
この時期の雨とあじさいは対のよう。
まず雨が好きだから、雨に似合う花もとてもすてきに思う。
皆が待ち望む夏が来る頃には姿を消している。そんなところも好きだ。
咲く場所も選ばない。
街かどでももったいぶらずに咲いている。
以前、友人が誕生日にあじさいの花束を贈ってくれたことがある。
花束は形に残らないけれど、毎年あじさいを見るたびに「私には好きな花を贈ってくれる友だちがいるんだ」と思い返す。
今年のこの時期は初めて白山神社のあじさい祭りに行ったり、佐原のあやめ祭りや香取神宮に行っても気がつけばあじさいを見ていた。
来年あじさいを見るときには、きっと今日の穏やかな時間を思い出すと思う。
こうやって毎年あじさいを見て、おばあちゃんになってあじさいを見たときには、どんな花に見えているのだろうか。