レオポルド美術館(Leopold Museum)

ミュージアム・クォーター (Museumsquartier)

ウィーン美術史美術館と向かい合ったところにあるミュージアム・クォーター・ウィーン(MQ)は、皇帝の厩舎であったという建物を増改築してリノベーションした大型文化施設。カフェやレストランは多くの人で賑わっていた。

ミュージアム・クォーター (Museumsquartier)

その施設の一つが、レオポルド美術館(Leopold Museum)。ルドルフとエリザベス・レオポルト夫妻が所蔵していたコレクションを元に、2001年に開館。その200点に及ぶエゴン・シーレ(Egon Schiele)のコレクションは世界最大。

私が訪れたときは戦争と芸術をテーマにした企画で展示がされていた。エゴン・シーレは第一次世界大戦をかけて制作をしていたため、従軍を経験している。クリムトを師と仰いだことは有名だけれど、当時積極的にタブーとされていた性や死といったテーマに挑み、過激と評された彼の作品は病的な感じがする。そんな絵の筆跡や削り跡がとても魅力だと感じた。予想外に注目してしまったのは素描。関節が不自然なポーズはまるで縫い付けられた人形のようにも見えるし、躍動感もある。神経質で退廃的?そして絶望的な感じるのする女性の捉え方。時々見えるかわいらしさのようなものもあって、とても惹かれた。後になっても見たいと思い、図録を購入。

レオポルド美術館の図録(Leopold Museum - Catalog)

もう1人のオーストリアの現代美術の先駆者、グスタフ・クリムト(Gustav Klimt)の「死と生(Death and Life)」や「アッター湖畔(On Lake Attersee)」もここで見ることができる。当時見た人が「絵から水が溢れでそうだ」と言ったという「アッター湖畔(On Lake Attersee)」は、空と海のユニークでなんとも言えない色彩と、遠近のタッチの違いが、見ていると不思議な感覚におちいった。