雨

「問題は気温じゃない。湿度だ。」

最近、会う人会う人にそんなことを言われている。

特に、訪日中の方々に。

「自分の故郷は気温が45℃になることがあるがそれは気にならない、でも…」と言われたり、ヨーロッパの夏について改めてここで説明することはないだろう。

日本の夏が嫌われるのは、その暑さゆえではなく、じめじめしたところというわけだ。

日本は雨が多い国で、少しでも雨の降った日を合計すると年間100日以上にのぼり、3日に1日近くは雨が降っていることになる。

雨が多いことで湿度も上がり、湿度の平均は60%から70%。夏場は75%を上回り、立派な不快日となる。

梅雨明け間近の夏が近づくこの時期。ひとしきり雨が降ったあとに、太陽が顔出す。気温が上がる。

すると、特にアスファルトで覆われた東京では地面の水分が温められて、外にいてもまるで浴室にいるみたいな感覚だ。

視界も少しぼやけてるような気がして、目を凝らす。