スウェーデンを旅行すると人に伝えると、「(スウェーデンでは)なにがおいしいですか」とよく聞かれた。パッと思い浮かばなかったけれど、よく思い出すと、IKEAが日本にきたばかりの頃に、スウェーデンではミートボールにジャムをつけて食べると知ってそれは驚いた。私は酢豚のパイナップルさえも苦手なタイプだから仕方ない。
そういえば、以前ストックホルムからヘルシンキへフェリーで移動したときも、船内の食堂のメニューがミートボールだったから、食べたこともあった。
初めてスウェーデンのミートボールを食べたときは、なぜこんなにマッシュポテトがのっているんだろうと不思議に思った。ミートボールを食べた後もしばらくそのポテトと格闘したけれど、食べ切れなかった。
今回の旅行でスウェーデン人と一緒にストックホルムで「まぁ一度くらいは」とミートボールを食べることにすると、ミートボールとマッシュポテトは一緒に食べるのだと教わった。そうか、だからあんなに山盛りだったのか?
スウェーデンと言えば、ザリガニも欠かせない。スーパーでもたくさん売っているし、街中にはザリガニ料理のポスターもたくさん見かけた。
海老や蟹は喜んで食べる自分が、なぜかザリガニには食欲をそそられなかった。むしろ、なんて大きなハサミだろうとちょっとした恐怖さえ覚えた。海と川の違いかというと、川魚は美味しく食べる自分がいる。伊勢海老といった日本で好まれる甲殻類と比べて見かけの迫力はそこまの違わないだろうに、やはり日本の川で見かける少年たちのザリガニ釣りか、教室のペットとして大事に水槽に入れられた姿が心の何処かに残っているのだろうか。生まれ育った環境の影響力というものを、改めて感じた。
旅行中もっとも感動したスウェーデンの食習慣はタコス。金曜の夜は家族でタコスを食べる家庭が多いそうで、スーパーのタコス売り場は、生地の種類はハードからソフト、様々なメーカのタコスミートの素、とてもバリエーションが充実していた。スウェーデン人の友人たちは「スウェディッシュタコスはさ…」と言っていたけれど、東京やロンドンのメキシコ料理店のタコスと何が違うのかはわからなかった。
実際に、ワカモレ、トマト、チーズ、タコスミートを用意して各々で挟んで食べ始めると、日本の手巻き寿司ととても近いものを感じた。
家では手巻き寿司をするのが好きだし、金曜の夜は決まった友人と決まってタコスを食べに行く習慣がある私は、とても親近感があって、うまく説明できないけれど「金曜のタコス」はとてもいいと思った。いつか、日本で家族とやってもいいかもしれない。