綱町三井倶楽部のウェルカムボード

三井倶楽部のウェディングウェルカムボード

大切な友人が綱町三井倶楽部で結婚式を挙げることを決めて、ウェルカムボードの制作を依頼してれくれた。

彼女は学生時代からおしゃれで、かっこいい先輩だった。そんな人と、卒業後も出かけたり飲みに行ったりして、気がつけば素直に話しをできる友だちになれたことを、折にふれて不思議な幸運のように感じる。まして結婚式のウェルカムボードを任せてくれるなんて、人生の中で最も光栄な出来事の一つだ。

三井倶楽部の友人の待合室

彼女が旦那さんと選んだ会場は、迎賓館として大正2年に竣工した綱町三井倶楽部(現在は三井グループの会員制倶楽部)。鹿鳴館と同じ英国人建築家ジョサイア・コンドル博士によって設計された建築史に残るような場所を、結婚式と披露宴の会場に選ぶのは、本物志向の彼女らしかった。

綱町三井倶楽部の素晴らしさは建物だけではなく、ロダンやターナーといった優れた美術品を有しているところでもある。そういった日常ではなかなか触れることのできない逸品で式の始まりを待つゲストを楽しませることも、新郎新婦の気遣いだった。

上の写真は挙式の始まりを待っていた部屋で、左上の油彩はターナーによるもの。格調高い部屋で客をもてなすために飾られた絵は、ロンドンの美術館で見るターナーとはまた違った趣があった。

三井倶楽部の披露宴

厳かな神前結婚式を終えると、敷地の9割を占めるという庭園に出るよう促された。打って変わって開放的な緑の芝の上で、新郎新婦は噴水を背に最初の乾杯。

再び本館へ戻り、披露宴が開宴。非の打ち所のない重厚な空間で、フレンチに舌鼓!本人や友人、上司の語る新郎新婦のストーリーに耳を傾ける。思わず笑顔になってしまう思い出話から、驚かされる逸話。まっすぐな2人が読み上げる両親への手紙からは、結婚をメリットとデメリットなどでは捉えない、「夫婦」「家族」への深い思いが伝わってきた。あぁ結婚というのはだからいいものだのだなと心が暖かくなった。

大切な友人であり、素敵な先輩のウェディングウェルカムボード制作をさせてもらえたこと、新郎新婦が心を込めて用意してくれた空間で、素晴らしい時間を過ごさせてくれたことに、心から感謝をしたい。そして改めて、2人の新たな始まりに「おめでとう!」を。