Songs For Youth by Rudyado Kipling -printed in 1932

ロンドン旅行中、ロンドン最大のアンティークマーケット、ポートベロー・マーケット(Portobello Road Market)に立ち寄った。このマーケットを歩いていると、膨大なアンティークの品々を見るほどに、品物の価値がわからなくなってくる。

歴史的価値やインテリアとしての希少性を見抜けるプロでなかったとしても、せめて自分にとっては何がガラクタで、何が価値ある買い物になりうるかさえももわからなくなった。

そんなアンティーク素人の私も、古本が並ぶ小さなストール(横幅1m程)で足を止める。

1940年前後に出版された本が所狭しと並べられていた。

タイトルを見ただけで「なんか聞いたことある」と思う名作ばかりがあったけれど、Rudyado KiplingのSongs For Youthを手にとって開くと、その凝った挿絵に目を奪われる。

Songs For Youth by Rudyado Kipling

正直なところ詩を読むのは得意ではない。

筋書きではなく言葉の響きや味わいを楽しまねばならないと思うと、外国語の詩を読んでいると不安な気持ちになる。

でもこのSongs For Youthは、詩に差し込まれた、色紙を貼った上に挿絵が貼られているページの、なんとも非効率な制作手法にやられてしまい、一度手に取ると離したくなくなった。

純粋に読み物として興味がある小説と散々迷って、店主の値引きに背中を押されてKiplingの詩集を買ってしまった。

あまりに迷った買い物だったので、いつかこの詩を味わって、「あぁやっぱりこの本を買って良かった」と思う日が来ることを願いながらストールを去る。

そうか、自分にとっては、本は後々に価値が出るものだから、最も価値あるアンティークになりうるのだと気付いた。