ウェストミンスター寺院(Westminster Abbey)のガイドツアーに参加してまじめに観光をする

ウェストミンスター寺院

ロンドン市内をなんとなく歩いていると、ウェストミンスター寺院に出くわした。69mもある正面入り口の塔を見上げて「あぁこれがあの…」と気づいたのだ。

8世紀にはすでにあったという説もある寺院は、11世紀にエドワード懺悔王(Edward the Confessor)によって現在のような大寺院に造り替えられた。そして13世紀には、ヘンリー3世によってフランスの教会建築をモデルに改築され、イギリスで最も権威あるゴシック建築となる。上から全体を見ると、十字架の形をしていることも有名だ。

ここウェストミンスター地区は、テムズ川の貿易で栄えたロンドンの中でも、最もイギリスらしいエリアらしい。テムズ川を挟んだ先には国会議事堂として使用されてきたウェストミンスター宮殿もあり、イギリスの歴史を動かしてきたエリアとも言えるだろう。

ウェストミンスター宮殿

それまでは特に考えもなくぶらぶらとロンドンの街歩きをしていたので、もっとまじめに観光をしようと思い立ち、翌日に出直してウェストミンスター寺院んpガイドツアーに参加した。旅行先でガイドツアーに参加するようになったのはここ最近の事で、一度試しに参加してみたら、自分では通り過ぎて見逃してしまうようなものや場所の謂われを聞くのが面白かったからだ。

ウェストミンスター寺院

入場料を払う際に、ガイドツアーに申し込む。ベンチに座って開始を待ちながら、カナダから来ている親しげな家族と何気無い話をしていた。そのせいか後になって、私が日本人と知ったガイドの人が「初めての日本人参加者よ!」と驚く。本当に初めてかは疑わしい。結果的には、一般の訪問者には許されない場所に入れてくれたり、椅子に座らせてくれたりするので、全ての英語を聞き取って完璧に理解できなくても、十分楽しめると思った。

建物がちょうど十字にクロスする部分の天井の装飾から、主祭壇に目を下ろすと、その荘厳で神々しい光景がテレビで見ていたイギリス王室の結婚式を思い出させる。最近ではウィリアム王子とキャサリン妃の結婚式だ。

また、1066年のウィリアム1世の戴冠式以来、ほとんどの国王の戴冠式と葬儀がここウェストミンスター寺院でわれてきたというが、その王族たちのお墓、お墓、お墓…… 歴史を感じますね。イギリスの歴史に基づく映画もいくつか観たことがあったので、そこに登場する悲劇の王や王妃が実在して、死後は他の多くの人々と同じように墓に葬られていたことに不思議な感じがしてしまった。

お墓は王族のものだけではなく、世界対戦で亡くなった戦士(No Rankの戦死者のための墓を最初につくったのは、ウェストミンスター寺院だと言っていたと思う)、科学者、音楽家、文学者と多岐にわたる。

それぞれ、生前に活躍した分野を彷彿とさせる装飾がまた煌びやかで美しい。物理学者ニュートンのお墓のモチーフは、映画ダヴィンチコードの謎解きにも登場する。個人的には、詩人のコーナー(Poet’s Corner)で、シェイクスピアはもちろんのこと、その時ちょうど持ち歩いていたJohn Keatsの名前を見つけられて、旅情を感じた。しかし彼の最後の場所はローマであったはず… そう、お墓には遺骨やら遺灰があるとは限らないのだ。

リチャード2世統治後から、広く「国に貢献した人」も埋葬することにしていたそうだが、増改築を繰り返しても場所には限りがあり、最近は平たい石板が埋め込まれるだけだそうだ。

ウェストミンスター寺院の庭

ガイドを聴き終えて、ステンドグラスに囲まれるチャプター・ハウス(Chapter House)へ入ると、とても明るく感じた。また日本へ帰って始まる新しい仕事を頑張ろうと思った。長い歴史が織りなす重厚な空間から庭へ出ると、フレッシュな緑もまた美しく、開放的で気持ち良かった。